• HOME
• ご注文
• お見積
• 新着情報
• オススメ
• お問合せ
• 業者様へ（業者様販売）

　戦後強くなったものの代表とされるのが、女性と靴下。その靴下をかくも強くした革命的な繊維がナイロン。そしてそのナイロンを発明したのはアメリカのデュポン社に勤めていた天才化学者、カロザースです。デュポン社はこの功労に対して、カロザースが生涯どこの国へ旅行してどんな高級ホテルに泊まり、どんな豪華な食事をしようが、一切の費用は会社が持つ、と約束をしたそうです。 カロザースが他社に引き抜かれたり、ナイロンの秘法をどこかの会社にもらしたりしたら、せっかくの世界的発明も水の泡となってしまう。彼の一生の贅沢くらい保証しても安いものだ、と考えたのでしょう。約束された一生の贅沢と地位と名誉、普通ならまるで天国にいるような話ですが、ところがなんと、カロザースは４１歳という若さで自殺してしまったそうです。いったいどうしてしまったのでしょう？その時のカロザースの気持ちを推し量ることはできませんが、自ら死を選ぶなんて

　『幸せ』に対する価値観は人それぞれです。一生使い切れないほどのお金があっても、いつも孤独で寂しく、心が満たされていなければ、その人にとって人生は空虚なものでしかないのかもしれません。でも貧しい国に生まれて、日々食べることや病気になってもお医者さんに診てもらうことさえできないほどお金に困っている人からすれば、「お金さえあれば何だってできる。お金がすべてだ！」と思っていることでしょう。 しかし、お金がすべてであれば、何故カロザースは命を絶ってしまったのでしょうか。その理由は様々だと思いますが、今、日本でも年間の自殺者の数は三万人を越えるとか。なかでも中高年の男性の自殺者の増加が目立つそうです。一生懸命働いて、家を建て、家族を養い、会社では上司に気遣い、部下を思い…ところが突然の会社の倒産や失業、社会不安や健康不安、世の中の仕組みが複雑になればなるほど、心を悩ませる種も増えます。いったい幸せはどこへいってしまったのでしょう？

「もうオレはずっと前から椰子の下で昼寝をしているよ」　～南の島でのエピソード

　ある南の島国でのお話です。登場人物はアメリカ人と島の現地人。朝から夕方まで、いつでも椰子の木の下で昼寝をしている現地人に、アメリカ人が説教をしたそうです。「どうしてお前は働かないんだ！毎日なまけて昼寝ばかりしていないで、一生懸命働いてお金をもうけたらどうだ！」と。寝ていた現地人は、ゆっくりと身体を起すと、アメリカ人をじっと見つめて言ったそうです。 「お金をもうけてどうするのだ？」、「銀行に預ければ、利子でお金が増える。」「お金が増えたら、どうする？」、「大きな家が建てられる。毎日ご馳走が食べられる。それでもっとお金ができれば暖かい土地に別荘も建てられる！」、「別荘を建てて、どうするんだ？」、「そうだな。別荘の庭の椰子の下で、日がなのんびり昼寝でもして過すさ」。そしたら現地人がにんまり笑って言ったそうです。「オレはもうずっと前から、椰子の下で昼寝をしている」と。そう言ってまたスースーと気持ち良さそうに、昼寝に戻っていったそうです。

　昼寝をしていた現地の人に、もっと勤勉に働くようにと説教をしたアメリカ人の「幸せの最終形」が、なんとそこにあったなんて…なんとも皮肉なお話ですが、笑いながらもちょっと考えさせられるお話だと思いませんか。だって一生懸命働いて、その最終形のなんとシンプルなこと。気持ち良い海風にふかれて、椰子の木の下で昼寝をする。そこが自分の別荘であろうとなかろうと、自分の土地であろうとなかろうと…まったく同じシチュエーション。それに土地だって、苦労して手に入れても、死んでしまったら誰のものでも関係ありません。さて、あなたも一度イメージを膨らませて、幸せの最後の形を思い描いてみてください！意外とすぐにできるような、とってもシンプルなものかもしれませんよ。縁側で日向ぼっこしながら昼寝したい、とか。そうそう食べ物だって、最後の晩餐に何が食べたいって聞かれたら、焚きたての白いご飯と、田舎の母の作った旨い梅干…だったりするように。