コラムトップ 体にやさしく&体に効く "季節の食材効能帳" "手相占い" ~開運人相術手相 顔de占い 開運人相術 人相学 カラー心理学/色彩心理学 アイエム カラーライフ レッスン 健康/心理学 アイエムヘルシーライフ 心に残るちょっといいお話 ドアと木のお話 歴史上の偉人のお話 ビンテージとクラシック アイエム・スタッフ 旅の写真集 |
アイエムセレクション~心に残るちょっといいお話
No.4 掃いても、掃いても、木の葉は落ちる。
昔あるところに妻子を続けて病気で亡くした医者がいました。医者でありながら妻子を助けることができなかった自分の不甲斐なさに嫌気がさし、独りになってからは仕事にも身が入らず、いよいよある時、身の周りを整理して高徳と噂に聞くお坊様を訪ねました。「私は医者ですが、妻子を亡くしてから不幸続きで、もうつくづくこの世がいやになりました。仏門に入り、心を清めたいと願っております。どうかお弟子にしてください」と頭を下げました。「殊勝な心がけだが、私はまだ弟子を持てる身ではない」とお坊様は断りました。しかし、「ご尊師の高名を慕って参ったもの、どうか願いをお聞き入れください」とただならぬ覚悟が窺え、やがて老僧は静かに言いました。「よし、それではそこにある箒で庭を掃きなさい」。ちょうど季節は晩秋の頃、時雨が音もなく庭の木の葉を散らしていました。素直に「はい」と答えた医者は、雨にしょぼしょぼ濡れながら一心に庭を掃き続けました。しかし、何時間たっても老僧は「やめろ」とは言ってくれません。ただじっと見ているだけでした。「あの…まだ掃くんでしょうか」と尋ねると、「まだ分からんのか!」と怒鳴るだけ。「まだ、分からぬ?いったい何をだろう?」医者は深く考え込むのですが、さっぱり分からぬことが、分かりません。辺りはもう夕闇に包まれ、雨足も強まりました。ついに精魂尽きて両手をついて、老僧に不審を尋ねました。 「よいか。お前さんは精一杯掃きつづけているが、どうだ。掃いても掃いても木の葉が落ちて綺麗にはなるまい。お前さんが仏門に入って、心を清くしようと思うのも同じことじゃ。払っても払っても煩悩の塵は尽きはしない。それよりも世を捨てた覚悟で、医療で他人を救うのだ」。豁然と心が開けた医者は、その後、名医だ、慈医だと称賛され、誰からも信頼される立派な医師になったそうです。
世の中にはできることと、できないことがある。しかし、やってみない人には、そのどちらも分からない。真剣に取り組んでみてこそ、できることも分かるし、できないことも分かる。「できることをできないと思い込むのは懈怠(けたい=なまけること)だが、できぬことをできぬと諦観するのは賢明だ」と、先の老僧は医者に教えたそうです。そう、一生懸命やってみて、できなければ、できぬと素直に認め、ならばできることを探し、自分らしくやったら…それはそれで何かのかたちにはなるはずです。 しかし、どうしてか世の親は、我が子のこととなると、鳶が鷹を生むはずもないのに、できないことまでやらそうとする。その重圧にまだまだ無防備で未完成な柔らかい子どもの心身は壊れてしまう。やがて異常な行動で親に反発する。できることも、できないこともその子の個性。でもその子にしかできないものが必ずあるはずです。それが何なのか、他の誰にも分からなくても、少なくとも、親なればこそ見つけてやれるのではないでしょうか。
コラムトップ 体にやさしく&体に効く "季節の食材効能帳" "手相占い" ~開運人相術手相 顔de占い 開運人相術 人相学 カラー心理学/色彩心理学 アイエム カラーライフ レッスン 健康/心理学 アイエムヘルシーライフ 心に残るちょっといいお話 ドアと木のお話 歴史上の偉人のお話 ビンテージとクラシック アイエム・スタッフ 旅の写真集 |
|