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アイエム 歴史上の偉人のお話
No.21 「織田信長のシェフ」が語った長寿の秘訣とは?
織田信長が尾張から決起して天下を取り、京都へ乗り込んで羽振りをきかしていた頃のこと。厨房役を引き受けていた料理人は86歳という高齢だったそうです。ある日、信長がこの老料理人を呼んで尋ねました。
「そちは86歳というのにすこぶる達者だが、何か健康法でもあるのか」
「畏れ入ります。私はただ、料理人なるがゆえに達者でございます」
「それはまたどういうことか?世間でよく料理人は先にいろんな美味しいものを食すので余計に短命だ、と聞くが」
「私は長い間料理一筋務めまして、儀式などによく鶴を使います。他の鳥は、胃がはち切れるほどに食っておりますが、鶴はいつ料理をいたしましても胃袋には七分しか食べ物が入っておりません。鶴の長命はこれに限る。人間も食べ過ぎてはいかぬ、と知らされ、私は常に七、八分より食べないことにしております。これは始終手にかけた鶴に教えられたことで、おかげで長命を保っております」
と答えたといいます。
この考えは、オランダの名医ブールハーフェの遺言集にも通ずるところがあります。
「頭寒足熱。腹八分」と記されたその言葉からは、食べ物ばかりではない。人生にいたっても「過ぎたるはなお及ばざるの如し」であることを感じさせます。
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