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No.15 「漱石が考える心の癒し方」 ~ 草枕 の冒頭は「この世は住みにくい」だけじゃない
夏目漱石の「草枕」では「智に働けば角が立つ / 情に棹させば流される / 意地を通せば窮屈だ /とかくこの世は住みにくい」
という冒頭が有名ですが、実はこの先に漱石の考えが語られています。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる /
どこへ越しても住みにくいと悟つた時、詩が生れて、画が出来る
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない /
やはり向こう三軒両隣りにちらちらする ただの人である
この後も文章が続きますが、漱石はこの部分で芸術家が尊い存在であることを語ります。そしてどこへ行っても住みにくい世の中であるなら、詩や絵といった芸術に親しむことで長閑(のどか)に過ごそうということです。
現代にあてはめるなら....漱石の時代からある詩や絵はもちろん、音楽やダンス等、どんなものでもいいから、いっときでも心がくつろげるものを見つけて、そしてまた「向こう三軒両隣り」の世界へ戻る。
なお漱石は同じく冒頭にて、この「三軒両隣りの世界」も決してわずらわしいだけではないと伝えています。
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