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アイエム 歴史上の偉人のお話

やじるし 【1】一職を軽視するなかれ「豊臣秀吉の心がけ」 やじるし 【2】倦まずたゆまぬ不屈の精神
やじるし 【3】真のウソと偽りのウソ やじるし 【4】いっそ死なない祈祷をお頼みします
やじるし 【5】なぜ数千の韓信軍が二万の趙軍を破ったか やじるし 【6】一番おいしいものは塩。一番まずいのも塩
やじるし 【7】十万両を百万両にすることは容易いことですが やじるし 【8】相対性理論は瓦職人が屋根から落ちて思いついた?
やじるし 【9】「足るを知れば、辱(はずか)しめられず」--中国の思想家・老子流の「幸せになる方法」 やじるし 【10】上杉謙信公「宝在心」--謙信の家訓から学ぶ、健やかな心身へのメソッド
やじるし 【11】リンドバーグ夫人の考える「島らしい」生き方 やじるし 【12】徳川家康から学ぶ「チャンスをつかむタイミング」
やじるし 【13】人間にとって不健全なこととは?~判を押すような毎日で気づくこと~ やじるし 【14】「自分で薪を割れ、二重に温まる」~ 自動車王・フォードの意外なライフスタイル~
やじるし 【15】漱石が考える心の癒し方~草枕の冒頭は「この世は住みにくい」だけじゃない~ やじるし 【16】「天知る、地知る、我知る、汝知る」~なぜ秘密や悪事は暴かれるのか?
やじるし 【17】「人こそが大名の資産である」~ 敗れてなお、家臣を引き付ける直江兼続~ やじるし 【18】「裸にて生まれて来たに何不足」 ~無一文の男が家庭薬を成功させるまで
やじるし 【19】「飲酒は罪ですか?」の答えを浄土宗の開祖・法然に聞いてみたら やじるし 【20】「僕は手を尽くした」 ~シートン動物記に秘められた熱意と信念~
やじるし 【21】「織田信長のシェフ」が語った長寿の秘訣とは?  
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No.6 「一番おいしいものは塩。一番まずいものも塩」

徳川家康が本多忠勝、大久保忠勝ら側近の剛の者らを集めて種々手柄話などをさせた後で、
食べ物について試問しました。
 「この世で一番おいしいものは何か、それぞれの思いを述べてみよ」。
ある者は「酒」といい、ある者は「菓子こそ」という。またある者は「果物だ」と嗜好物をあげて言い争いました。
しかし、 いずれの答えにも家康は不満の様子。
やがて平素から評価していた局のお梶の方をさして
「そなたは何が一番おいしいと 思うかな」
と尋ねたところ、にっこり笑ったお梶の方は
 「一番おいしいものは塩でございます」
ときっぱり答えました。なるほどと、初めて満足そうにうなずいた家康は、重ねてお梶に方に尋ねました。
 「それでは一番まずいものは何か」。
 「一番まずいものは塩でございます」。
 「さすがお梶である」家康は彼女の聡明さに感心したといいます。
塩は味の素であり、あらゆる味を活かすものだから、 一番おいしいものに間違いない。またすべての味を殺すのも塩であるから、一番まずいものでもある。さらに直言すれば、本来塩はおいしいものでも、まずいものでもなく、 サジ加減ひとつで変化する。塩は味の材料にすぎないので、これをこなすサジ加減こそが味の素であることを道破した
ところにお梶の答弁が妙答として、万人をうなずかせたのでした。

健康も財宝も名誉も地位も幸福の材料にすぎず、これらを自在にこなしきることこそ、
人生の要諦なのかもしれません。







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