ドアの右開き、左開き、ってどう違うの?
ドアの開き方(開き勝手)はどう決めるか?何が良いのか?について考えてみました。
一般住宅の玄関ドアの開き勝手の決め方
好みもありますが、扉を右開きか左開きを決定する決め手は次の3つです。
玄関のアプローチの方向により決める
玄関ドアの開き勝手を決定する方法は、主にアプローチの方向です。
日本の扉はほとんどが外開きの為、扉を開くと玄関のアプローチに開き最低でもドアの幅分+人が立つのスペースを必要とします。
例えば、上の写真のように玄関へ左方向に向かってエントリーする場合、主に左開きとなります。エントリーの方角の扉が開放されていると、後続者は扉にシャットアウトされることなく、スムースに入室可能です。また、荷物を多く持っている場合も、扉に遮れることなく容易に搬入が可能になるからです。
玄関の袖壁の壁側に向かって扉を開ける。
玄関の正面からエントリーする場合はどうでしょうか?
玄関扉は雨風や日光に直接あたるのを防ぐ為、左右に袖壁といわれる壁を設置して設計するケースが多いです。スペースの関係上、片側のみ壁で、もう片側はオープンになっている作りも多いです。片側が壁の場合、たいてい玄関扉は壁側に寄せて設置します。
壁側に吊り元を決めて、壁側に向かって扉を開けるように考えます。
上の写真のように、右側に壁がある場合は、右開きになるように扉を決めます。扉を開放したときに、できるだけ大きいスペースが確保できます。
利き手の方向に開く
壁やアプローチの規制がない場合の、一般的な扉の開き方向はどうでしょうか?
全般的に右開きが多いようです。これは、利き手である右利の人が多いからだと思われます。
外開き扉を引いて開ける際、ある程度の力が必要なため、利き手である右手でハンドルを持ち、右方向に開いた方が楽だからでしょう。
親子ドアやに両開きドアの場合も、利き手方向の右側ドアが、親ドアやメインのドアである場合が多いです。
住宅の引き戸の開き勝手
玄関引き戸には、二枚扉を設置した引き違い戸と、一枚扉だけの片引き戸があります。
引き違い戸は、昔の日本家屋や和風の住宅に使われ、日本的なデザイン、また左右どちらの扉でも開閉が可能で自由度の高い扉です。
片引き戸は、一枚の扉を外壁上のスライドさせて使います。肩引き戸は、エントランスの前面にスペースがない住宅や、引き戸希望でかつ、断熱性や防犯性を高めたい方におすすめです。
いずれの場合でも、設置場所に制約がない場合は、右手で取っ手をつかみ右方向に引く場合が多いようです。
ドアの右開き・左開き
基本ドアの開き方を決定するのは、上記の3つの条件を元に決定すれば間違いありません。そこで、開き方向を説明する際のルールについてのお話です。
アイエムでは世界中の多くの種類の扉や、ハンドルを扱っている為、ドアの開き勝手-呼び方や決め方はとても大切に考えています。
通常、玄関ドアの右・左の開き方は、「外側に立った時に、扉が右に開くのか? 或いは、左に開くのか?」で考えます。
両開き扉の場合は、可動する側の扉(もう片方はフランス落としという金物で上下枠に固定されています。)がどちらに開くかで考えます。
少し細かいですが、ハンドルを決めると時や、扉を制作する時は、もう少し慎重になる必要があります。同じ右開き、左開きと言っても、内開きか外開きかによって構造が異なってくるのです。(内開き扉と、外開き扉については、コラム「玄関ドアの開き勝手について」でお話ししています。)
室内ドアはもう少々複雑です。玄関のように、「外側に立って・・・」と指定できません」。「廊下側に立って、内開きで左開き」「部屋側に立って、外開きで左開き」という説明もありますが、少し混乱しそうです。
お部屋とお部屋の間にある扉の場合は、どちらも部屋側になるので、言い方が難しいですよね。「右開き・左開き、内開き・外開き」は、立っている場所によって逆転するので注意が必要です。ガラスが入った扉は、表と裏があるので更に正確な情報が必要となります。
通常ドアは、ヒンジ(丁番)が見える方向へ開きます。誤解を避けるために、アイエムでは上記のように「ヒンジ側から見て左吊り」「ヒンジ側から見て右吊り」と言っています。